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日本海洋学会海洋環境問題委員会シンポジウム
  「海洋環境問題における研究者の役割」

 
  1973年4月、日本海洋学会は『日本海洋学会は,ここに海洋環境問題委員会を発足させ,今後積極的な環境問題の具体的な研究方法および研究体制を討議確立し,その活動を通じて,海洋環境の改善に努力するとともに,いかなる形においてもわれわれの研究が、環境改善とは逆の方向に悪用されることのないように努めます』を骨子とする「海洋環境問題に対する声明」を総会において決議した。2008年3月、設立35周年を迎えた海洋環境問題委員会はシンポジウム「海洋環境問題委員会の役割と課題」を開催し、原点とも言える「声明」の設置に至る経緯を改めて振り返るとともに、これまでの活動内容や顕在化してきた問題点について議論・検討を深めた。海洋環境保全に関わる書籍の出版、重大な海洋環境問題に対する提言の発表、学会間の連携強化などの委員会活動は、海洋の研究者集団としての日本海洋学会において重要な社会的貢献を担ってきたと評価された。また近年では、沿岸部の人為的改変や、二酸化炭素濃度増加や温暖化などに見られる地球規模の環境変化が海洋生態系に与える影響も懸念されるようになり、これらの問題解決あるいは対策提言にあたっては、物理、化学、生物、地学分野の連携による総合的な海洋学としての取組みが求められており、この連携を促進する上での分野横断的な組織としての委員会活動も期待されるようになってきた。
 
  「海洋環境問題に対する声明」は35年という時間の経過の中で古びれることなく、依然として我々海洋研究者が担うべき社会的責任と行動規範を明示し続けている。しかし同シンポジウムでは、研究者が時間的に極めて厳しい制約の中で環境問題への対応を迫られ、学会としての科学的検証・同意を十分に得ることが難しい局面に立たされることが多々あること、あるいは近年の社会情勢や研究業績評価の画一化等に伴い、個々の研究者にとって海洋環境問題に取組むこと自体が困難になりつつあることなどの問題点も指摘された。「声明」の設置と海洋環境問題委員会の立ち上げにご尽力され、多くの海洋環境問題に取り組んでこられた宇野木名誉会員はこれらの問題を強く憂慮され、海洋環境保全に関する研究の推進と若手研究者の参加を促すための基金として、2008年4月に日本海洋学会に対して多大なご寄附を申し出られた。海洋環境問題委員会、学会幹事会および学会評議員会ではこのご寄附について議論を重ね、2009年度の開始を目途に、海洋環境保全研究に対する助成事業・賞の新設を検討してきた。
  本シンポジウムは海洋環境研究に果たされてきた宇野木名誉会員のご貢献を記念するとともに、「海洋環境問題において研究者が果たすべき役割」をテーマに、学会や個々の研究者による海洋保全研究の取組みにおける課題や可能性について議論を深めることを目的とする。

●開催日時:2009年4月5日(日) 13:00〜16:30
●開催場所:東京大学本郷キャンパス (アクセス)         
●主   催:日本海洋学会(HP
        日本海洋学会 海洋環境問題委員会 (HP)
●コンビーナー:鈴村 昌弘(産総研)
          小川 浩史(東大海洋研)
          野村 英明(東大海洋研)

●プログラム
13:00 挨拶  
       日本海洋学会会長 小池 勲夫(琉球大)
13:05 趣旨説明  
       海洋環境問題委員会委員長 鈴村 昌弘(産総研)
13:15 海洋環境問題委員会による提言活動とその影響・効果について:
     東京湾を取り巻く海洋環境問題を例として 
 
       風呂田 利夫(東邦大学)
13:45 関連学会における環境関連の委員会の活動と現状:日本水産学会
       水産環境保全委員会委員長 山本 民次(広島大学)
14:05 海洋環境問題の現場で研究者が直面する問題点とは?
       清野 聡子(東京大学)
14:25 環境問題におけるサイエンスインタープリターとしての研究者の役割
       河宮 未知生(JAMSTEC)
     
     (休 憩)

15:00 若手研究者の海洋環境問題への取り組みへの障壁は何か?  
       梅澤 有(長崎大学)
15:20 海洋研究者・教育者に社会が求めるものとはI 人材育成に対する期待
       山本 龍太(ドリスジャパン株式会社)
15:40 海洋研究者・教育者に社会が求めるものとはII 専門家集団としての期待
       菅波 完(高木仁三郎市民科学基金)
16:00 総合討論

16:30 閉会



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