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2007年6月(1)

閲覧期間を延長します

2007年6月21日 11:04:05 PM

先週の14日、突然のブログ閉鎖の決断に、全国だけでなく海外の方からも、惜しむ声、労いの言葉、激励、そしてご心配などをいただいた。このブログにもたくさんコメントをつけていただいたり、直接のメールや電話までちょうだいした。改めて、このブログが多くの方々に愛読され、支援していただいてきたことを感じ、心からうれしく思った。この場を借りてお礼申し上げたい。「皆さん、ありがとうございました」。14日の声明では、「公開はあと1週間ほど」としていたが、ブログの管理画面で確認できるアクセスカウンターは、閉鎖前に比べ5倍から最高で8倍にも跳ね上がり、その数はまだ落ち着きそうにない。きっと、閉鎖になる前にと、過去の記事をチェックしていただいているのだろう。これだけ激励のコメントが届き、アクセス数も増加の一途の状況では、いつ閉じたらいいのだろうかとタイミングを決めかねていた。その矢先に、東京の学生のTさんから「あと1週間待って欲しい」とメールが来た。彼女は水族館の役割や機能、歴史などをテーマにした論文を書いていて、先般の博物館学会にも参加してくれていた。彼女のメールには「1週間ではすべてを見通せないし、本にしてくれたらいいのに・・・」とも書かれていた。悩んでいた時に延長依頼が来たので、ここは彼女のせい?にして、あと1週間、閲覧期間を延ばすことにした。まだ、このブログを必要としてくれる方がいるのはなんと幸せなことか。これまで続けてきたことへ、大きな勇気をいただいたと感じている。

ブログを閉鎖

2007年6月14日 04:40:45 PM

思うところあって、このブログを本日限りで更新を中止することにした。一昨年の10月から始め、1日の欠番もなく今日まで620回になった。これまで、多くの方々に支援していただき、ここまで継続できたことを心から感謝したい。また閲覧は、あと1週間ほどで完全閉鎖を予定している。もし、過去の記事までご覧になりたい方は早めのチェックをお願いしたい。長い間、ありがとうございました。

移動水族館教室の開催

2007年6月13日 06:02:39 PM

今年度最初の移動水族館教室を、福岡県うきは市姫治(ひめはる)小学校で開催した。住所に「市」がついているものの、学校の場所は、浮羽の山間部にあって、ブドウ畑の丘陵地を越えダム湖沿いの細い山道を登ったところにあった。集落の規模から見て、生徒数もそう多くはないものと思ったが、着いてみると全校生徒27名の小さな小学校であった。この日は、近隣の3つの学校にも誘いの連絡をしていただいており、県境を越えた大分県の、全校生徒わずか4人の柚木小学校からも駆けつけてくれた。見学は、9:00すぎから、学校単位でやってきてくれ、会場の体育館で5つの班に分かれて、職員の解説を聞きながら、じっくり体験してもらった。学校の周辺の環境は、美しい渓流と森の緑に囲まれ、今、ホタルの乱舞が最盛期なのだという。沢には、魚やカニもすみ、自然には極めて恵まれている。しかし、海の生き物には触れることは初めての子どもばかりで、特にサメの感触には多くの感激の声があがっていた。正午前になって、最初の姫治小学校の子どもたちがわずか1限の時間を使って、感想画と感想文を制作して届けてくれた。すばやい学校の対応にこちらも感動した。さらに昼休みには、この小学校が力を注いでいる一輪車の演技を全校生徒で披露してくれた。平成11年に始めたこの事業は20箇所近くになったが、今回が最も山間部で生徒数も少ない開催になった。また、テレビ局4社、新聞社2社などマスコミ取材も多かった。今後も、多くの子どもたちの笑顔と歓声に出会えるよう継続していきたい。

民族学博物館でのハンズオン

2007年6月12日 11:20:52 PM

博物館の資料に触る、動かす、聞くなど、五感を使って、資料への理解を深める展示を「ハンズ・オン」(”触っていい”の意味)と呼んでいる。近年、世界中の自然系や科学系、チルドレンズミュージアムなどで、楽しく学ぶための工夫として導入が著しい。このハンズ・オンは「マインズ・オン」とも言われ、体験体感する行為が、入館者の心まで響くことが重要な要素だ。当館でも、水族の能力や生態、水辺環境などを体験的に知っていただくために、特別展や常設展示でも積極的に取り入れてきた。一方、人文系の博物館では、扱っている資料が芸術作品や文化財資料などが多いために、それらの資料に直接触ることはタブーであり、かつ、伝える情報も形や体験で表すことが難しいなどの理由で、ハンズ・オンがあまり発展していなかったのが実情だったと考える。今日は、大阪の国立民族学博物館にいくつかの議題で会議に参加したが、この中で、民博でのハンズ・オンを検討することになった。この博物館はオープンな展示手法として知られ、入館者と資料との距離が極めて近い利点を持っている。一方で、ハンズ・オンな仕掛けは少ないのだが、ガムランという楽器を叩く、韓国の酒幕という家屋に触れるという部分を、その手法一つとして捉えていた。しかし、私の解釈では、楽器を鳴らし音を聞くことも、実物大の再現家屋を見ることもハンズオンではない。楽器を鳴らす行為によって、その国の人々の暮らしや想いが伝わる仕掛けがされているかが重要なのだ。以前に、「民博の展示には人が見えない」と言ったことがあるが、民族学の博物館なのだから、人の暮らしや心が見え、伝わる展示がされるべきだろう。そのためにきっとハンズ・オンは役立つに違いない。さらなる、積極的導入を願っている。

恐れていた事態に

2007年6月11日 10:49:02 PM

昨年の年末に、世界中で猛威を振るい、両生類を絶滅の危機に陥れている”ツボカビ症”が国内の飼育個体で発生し大騒ぎになった。その後、この病気が自然界に広まらないように、様々な機関で緊急対策が練られ、一般への啓発も行われてきた。一方で、野外での発生は時間の問題とも思われてきた。今日、その恐れていた事態が現実のものになった。日動水協のデータベースサイト上の連絡網を開くと、「ツボカビ症が加盟園館でも野外でも確認」とのタイトルが目に飛び込んできた。10日に麻布大学で開催されたツボカビのフォーラムで、9つの都道府県で、8種の日本産両生類に確認と公表されたとのことだ。昨年末の発表よりもショッキングなニュースだ。これまで、どの国もなすすべがなく国土全体に広がり、壊滅状態になってしまっている。カエルは重要な食用資源でもなく人には感染しないので、病気の蔓延や絶滅に対して一般の興味関心は薄いが、彼らの自然環境に果たしている役割は大きい。今後、作物の育成や生物生態系にもじわじわと影響が出てくることだろう。テレビや新聞での取り扱いが意外に小さく、大問題として広報されていないことは残念だ。もっと、国民に危機感を持ってもらわねば大変なことになるだろう。当館ではさっそく、持ち込みや拡散の防止、保護隔離などへの対応検討に追われた。今後、国内での生物移動には細心の注意を払う必要があるだろう。なんとか、国内での拡散が最小限で収束することを願っている。

獣医師のネットワーク

2007年6月10日 06:13:00 PM

スナメリの解剖の最終日。炎天下、野外で立ちっぱなしで進められた重労働もようやく完了し、参加された研究者も、疲労感の中にも安堵の色が見える。今回の解剖には、10名近い研究者が集まったが、中には獣医師の立場の方もいた。その方たちは、水族館動物園に勤務するだけではなく、様々な職場の中で獣医師としての活動をされている。その人脈は日本全国にネットワークが張り巡らされ、先輩後輩、恩師弟子、上司部下、同僚同期など、古くから密接な人間関係が築かれてきた。常に情報や技術の交流がなされ、知識や技術の向上がなされている。さらに、プライベイトな部分でも、日頃の悩みや喜びを共有し、相談しあえるとてもいい仲間達たちという印象だ。今夜も、解剖に参加していただいた酪農学園大学の浅川先生を囲んで、その弟子である当館の獣医師と、海の中道動物の森、いとうづの森の獣医師さんも仕事が終わって駆けつけていただき、一献となった。職場は違ってもお互いに旧知の仲で、全国の獣医師仲間の話題や日常の仕事、はたまた個人的な内容まで話はつきない。夕方から始めた飲み会が、気がつけば午前様。それでもまだ話は収束しそうにない。今夜は、熱い熱い獣医師の輪に加えていただき、ある面でうらやましさも感じながら、飼育技師や学芸員のネットワークももっと盛り上げていかねばと思った。

スナメリの解剖作業

2007年6月9日10:38:15 PM

当館は、九州北部沿岸に座礁や漂着する、スナメリという小型イルカの死亡個体を収容し、冷凍保管の後に研究解剖を行っている。そこで、ここ数年間でストックしてきた個体が相当数になったので、国内の大学や博物館にこれらの個体を研究資料として提供し、協同で一挙にまとめて解剖を行うことにした。今日はその解剖の3日目である。死亡漂着する個体は、体内に何らかの疾病を持っていたり、何らかの事故にあっている場合もある。解剖することで、死因がある程度推測でき、それらの成果をまとめることで、周辺海域の生息個体の保全につなげることもできる。今日の解剖には、今年採用した獣医師の恩師が北海道からもかけつけていただいた。こうやって、当館が集めてきた資料が多くの研究者の役に立ち、先生方とのコネクションが深まるだけでなく、職員の研鑽にも活用できるなど、多くのメリットが見えてくる。明日は解剖の最終日。正直に言って、毎日、多くの個体を解剖する作業は楽ではない。携わっている一人一人の研究者の情熱がこの大変な作業を支えているのだと思った。

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